TS-520用VFO改造

                                                                  01版 2013.06.15
                                                                  00版 2013.02.06
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 TS−520用VFOを7M専用ダブルスーパー受信機のVFOとして利用するための改造です。
 発振周波数の変更とVFO取り付け板の変更を行なっています。

TS-520用VFO


     
仕様
 (参考: 「VFO-520」取説 )

  発振周波数:
      4.9 〜  5.5MHz.

  出力電圧:
      1 V ±3db ( 470Ω 負荷).

  発振回路:
      クラップ発振

  周波数安定度:
      3分のウォームアップ後
      30分当たり ±100 Hz

  所要電力:
      DC 9V, 25mA.


改造その1(発振周波数変更) 2013.02.05


用途(例)



特性

改造前後の実測値を以下に示します。
 項目  改造前  改造後
発振周波数 

(受信可能周波数)
5.553〜4.896MHz

(7.1485〜7.8055MHz)
 5.759〜5.032MHz  

(6.9425〜7.6695MHz)
可変幅 634Hz  727kHz

改造

手順

1)VFOケースを外す。

2)RIT回路切り離し
  C4を除去、又はリード片側(VC側)を浮かす。

3)VFOケースを取り付ける。

4)発振周波数調整(PS ONから20分以上待つ)
  @ケースのVC調整穴を塞いでいるアルミテープを剥がす。
  Aダイヤルを左に廻し切った状態とする。
  B希望の周波数となる様、VCを調整する。(今回は約5.76MHzへ調整)
  C調整後、調整穴へアルミテープを貼って元に戻す。

5)ダイヤルを中央付近とし、出力レベルが最大となる様、TCを調整する。

6)その他
  ・今回のC追加無しの様に変更幅が小さい場合は上記5)の出力レベル調整は省略可。
  ・TC調整により発振周波数が多少変化するので注意。MAX600Hz程度。希望周波数へ
   調整するときはVCを再調整する。
  ・VFOの出力を50Ωで終端すると波形が崩れるので注意。負荷は470Ω以上
   とする。

改造・調整箇所

   

[参考]

 今回の調査の中で得たデータを参考までに以下に示します。

  ・RIT回路有無による周波数変化    : +167kHz(ダイヤル最左端。回路有り→無しで周波数UP))
  ・VFOケース有無による周波数変化  : -96Hz(ダイヤル最左端。ケース有り→無しで周波数DOWN)
  ・VCによる周波数可変量         : 334kHz
  ・TCによる周波数可変量         : 651Hz

周波数安定度

 電源ON約5秒後から1時間弱の測定結果を下図に示します。20分後、-300Hzで安定し、その後10Hz以内の変動に収まっています。

 測定は、CYTECさんのEasyFC2を使用させて頂いています。


周波数変動(室温 約15℃)


その他 2013.03.15

 上の改造では、発振周波数範囲が拡がる結果となりました。まだ実験していませんが、これではダイヤル回転当たりの周波数変化が大きくなり、SSB復調がTS-520と比較して少々難しくなりそうです。
 範囲を狭めるためには、上の適用例のフィルタを12.5MHz以下としてVFO発振周波数を下げる方向とする必要があります。
 そこで、VCへCを追加した時の発振周波数を実測し、最大/最小値をグラフにしてみました(RIT回路は切り離した状態です)。中心周波数12MHzのSSB用フィルタ構成へ適用するには47pF追加で使えそうです。この時の発振周波数範囲は約480kHzです。

 尚、150pFを超えると発振が停止しましたので、せいぜい100PF程度の追加とするのが良いと思われます。



改造その2(取り付け板変更)


TS-520VFOの取り付け板が長過ぎるため短めの板を作り、別途制作したVFO固定用板と共に取り付けます。

改造

   TS-520用VFO
   VFOケースを外す
  取り付け板を外す
   取り付け板からギヤ部を外す
   取り付け板の前面
   板切り出し
   穴明け後、右側面の曲げ加工
   左側面の曲げ加工の前に、短いので補強のため押さえ板を取り付け
    補強後、曲げ加工
   曲げ加工完成
   ギヤ部取り付け
   本体取付け、その後VFOケース実装
  ケースへの固定方法検討
  固定用 L金具を両側へ取り付けて完成
   改造前(左)と改造後(右)


図面

 手書きメモ程度です。
  取り付け板(JPG)
  固定用L金具(JPG)


 当初、C3(12pF)削除のみで目的の周波数で発振しました。しかし、RIT回路の制御端子開放、C3削除による温度変動バランス崩れの不安があり、RIT回路を切り離しました。RIT回路が必要の場合は、適切な外部制御回路、C3除去およびVC調整により周波数を合わせることができると思います。
 ここで取り上げた改造は「QR-75J」において適用しています。